大化に始まる元号は、令和まで248を数える。歴代最長は昭和で実に62年間も続いた。最短は鎌倉時代の暦仁(りゃくにん)でたったの2カ月である▼その昭和を象徴するものはいろいろあるが、極言すれば戦争と高度経済成長に尽きるのではないか。その後の平成は、戦争のない時代として長く記憶にとどまるだろう。令和以降も永遠に戦争とは無縁であることを切に願う▼県立博物館で開催中の「昭和ノスタルジー なつかしい栃木の情景」(11月24日まで)をのぞいた。昭和30年代以降の暮らしの変遷ぶりに焦点を当てた企画展だ▼「令和への代替わりを迎え、最初の東京五輪と栃木国体があった昭和という時代を再発見するきっかけになれば」と学芸員の宮田妙子(みやたたえこ)さんは言う。展示品で目を引くのが見せ物小屋の再現だ。大きな絵看板や「おおいたち」「ろくろ首」といった、おどろおどろしい告知板が興味深い▼民俗学の新しい効用として「回想法」があると、宮田さんが教えてくれた。古い物や事に接することで記憶がよみがえり、認知症予防に役立つのだという。脳の活性化にも格好の展示会である▼「三種の神器」といわれた昭和30年代の「白黒テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」も会場にあった。令和の神器は何になるのだろうと考えたが、技術革新が急過ぎてとんと思い付かなかった。