政策金利を引き下げる動きが世界的に広がっている。米中貿易戦争に伴う景気の減速に対応するためだ。日銀は民間銀行から預かるお金の一部に手数料を課すマイナス金利の深掘りも辞さない構えを示す▼日銀の黒田東彦(くろだ・はるひこ)総裁は9月、国内景気が減速し物価上昇の勢いが損なわれる恐れが強まれば「ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」と述べた。現在マイナス0・1%の短期政策金利のさらなる引き下げを視野に入れていると、宣言したようなものだ▼追加緩和に踏み切れば「民間銀行は収益確保のため、預金口座の管理費用の一部を顧客に転嫁する新たな手数料を導入するのでは」との説が取り沙汰されている。顧客転嫁は預金へのマイナス金利適用を意味する▼銀行側が万一、マイナス金利を預金に付与する場合、現金自動預払機(ATM)の手数料見直しなど預金者の負担軽減策も同時に打ち出し、理解を得ようと努めるだろう▼それでもマイナスの預金金利は、庶民にとって想像を超える現象に違いあるまい。口座から定期的に手数料が引き落とされ、預金は目減りする。預金者が簡単に納得するとは思えない▼金利が異常な低水準にあることを、私たちはよくよく認識する必要がある。そして資産の価値をどうやって守るのか、真剣に考えておいた方がよさそうだ。