災害ボランティアセンターで指示を出す柴田さん=20日

 台風19号の被災で災害ボランティアが、被災者の日常の暮らしを取り戻すサポート役として活躍している。これからボランティアに参加しようとする人、依頼しようとする人にボランティアコーディネーターなどを務める栃木県鹿沼市社会福祉協議会の柴田貴史(しばたたかし)さん(42)にポイント、注意すべき点などを聞いた。

 -まず災害ボランティアに参加する際の心構えを。

 「あくまで被災した家の人がメイン。家族の話を聞き、依頼主に合わせて作業を進めサポート役に徹し作業を進めることが大切。さらに今までの経験、思い込み、判断では行わないこと。センターの運営と同じですが、過去と同じケースはない。片付けを済ます、ではなく次のボランティアに引き継ぐという心構えが必要」

 -実際の現場では。

 「必ず片付けはその家の人に立ち会ってもらう。嫁入り道具や思い出の品を処理してから、後で依頼主とトラブルになるケースもある。少し考える時間、心に余裕を持っても遅くない。あと言葉遣いも大切。『被災ごみ』と言いがちだが、家主にとっては愛用、大切にしていたものが多い。私たちは『被災財』と呼んでいる」

 -依頼者としては。

 「ボランティアは何でもできるわけではない。依頼者が求めるスキルを持ち合わせていない場合もある。そしてボランティア参加者がいなければ希望する日時に派遣することはできない。高齢者、病気の人、障害がある人が優先にもなる。住家、家屋が先で内容によっては派遣が遅くなることも理解してほしい」

 -作業内容などからマッチングは大切になる。

 「私たちは依頼を受ける際、十分な聞き取り、下見、写真を撮って必要な人数、資材などを充てる。また特別な技術がある人、床下作業ができる人などとボランティアを振り分けて派遣している」

 -気を付けたい点は。

 「“火事場泥棒”と偽ボランティア。災害時は必ず盗難があり、大型機械などが盗まれることも。また偽ボランティアから後で高額な金額を請求されるケースもある。市災害ボランティアセンターは今回、ステッカーを作り登録ボランティアには作業日、名前を記入してもらい、胸などに張ってもらっている」

 -最後にセンター方針は。

 「泥を見ずに人を見る。われわれは片付け屋ではない。家族が元に戻るためのきっかけ作りの手段として片付けをしている、ということ。被災者が年末までに元通りの生活が取り戻せれば、と考えている」

 柴田貴史(しばた・たかし) 栃木県鹿沼市社会福祉協議会事務局勤務、とちぎ災害ボランティア実践プロジェクト座長。1995年の阪神淡路大震災をスタートに国内の震災、豪雨、地震に出向いたほか、タイ、台湾でも活動。宇都宮市在住。