御料牧場は、元々は国が羊毛などの生産振興のため、1875(明治8)年に千葉県・三里塚に設けたのが始まり。本県の那須野ケ原など5カ所の候補地の中から選んだ。その後「皇室の牧場」として宮内庁に移管された▼成田国際空港の建設に伴い高根沢、芳賀両町にまたがる地に移り、今年で50年の節目を迎えた。移転候補地は東京近県に10カ所あったがいずれも条件が合わず、最終的に現在地となった。その理由を高根沢町史は「推薦する向きがあった」とだけ記している▼標高145メートルの丘陵地にあり面積は252ヘクタールと東京ドーム54個分に相当する。生産された牛乳や乳製品、豚肉、肉加工品、卵、野菜などは宮中晩餐(ばんさん)、園遊会など各種行事に用いられるほか、皇室の日常の食事にも利用されている▼特に羊は約500頭を飼育する。宗教上の理由で食べられないなどの制限が最も少ない肉とされ、賓客をもてなす皇室行事のメインディッシュとなっているという▼牧場内には貴賓館があり、ご静養の場ともなっている。天皇陛下が皇太子時代に訪問された回数は21を数える。直近では昨年5月に御一家で4日間滞在された▼陛下の即位を披露し、祝福を受ける皇居・宮殿での祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」では御料牧場の食材も使われただろう。そう考えると即位の礼がより身近に感じられた。