災害ごみ置き場から「救出」されたふすま。古文書が下張りされていた=16日午後、那須町芦野

 台風19号の被害は文化財にも及んでいる。那須町の那須歴史探訪館は連日、災害ごみ仮置き場から水損などして廃棄された歴史資料の「救出」に当たっている。古いふすまなどの下張りに古文書が使用されている場合も多く、同館は「すぐに廃棄せず、地域の博物館や教育委員会に相談を」と呼び掛けている。

 同館の作間亮哉(さくまかつや)学芸員は連日、災害ごみの仮置き場として同館近くに設けられた旧芦野小に足を運んでいる。ふすまや民具、陶器などを見つけては同館まで運び、乾燥させるなど処置を施している。泥などで汚れた古い文書や写真などが修復できる可能性があるためだ。

 同館は床上浸水被害にもあった那須町芦野にある。同地区はかつての宿場町で、各戸に多くの文化財が眠っているとみられる。作間学芸員は「江戸中期の古文書もふすまから出てくる。近代の軍隊の記録や地域の農業の様子が分かる記録も見つかる」と話し、「災害後は常に、そうした貴重な地域の歴史が捨てられる危機にひんする」と強調する。

 古文書や民具などは地域の歴史文化を語る貴重な資料。同町だけでなく、県内全域の宿場町や城下町で「危機」が迫っているとみられる。

 文化財の有無は、家具などの外見からは分からないこともあるという。15日からは町フェイスブックに「保管していた資料の取り扱いに困り、処分を検討する前にご相談ください」とのメッセージを掲載。広く注意を喚起している。