本県が生産量全国一のかんぴょうは、甘く煮て巻きずしの具にするのが定番だ。県内きっての産地、下野市にある自治医大の間藤卓(まとうたかし)教授はこの弾力が人間の皮膚に近いとして、医学生らの縫合練習用キットへの活用を思い付き、特許を出願した▼地域医療で活躍が期待される同大生は在学中に実践練習を積む必要があるが、キットは高額で悩みの種だった。その解決法が、地元の名産品にあったとは驚きだ▼原料のユウガオは、英訳するとひょうたんと同じ「bottle gourd(ボトル ゴアード)」。まさに、ひょうたんから駒である。教授はアイデアマンで知られ、医学的見地に立った食品開発などで既に20件ほどの特許を持つ▼小山市に住んでいた小学生時代は夏休みの朝、ユウガオをむく農家の庭先でラジオ体操をするのが日課だったという。小さい頃から慣れ親しんでいたのも、今回の開発につながった▼小紙に記事が載った後、早速県内医療メーカーから引き合いがあったとか。製品化は遠くないのかもしれない。味の称賛も忘れない。「地元のすし屋で食べるかんぴょう巻きは、ほかより明らかにレベルが高い」▼教授のように頭を柔らかく使ってかんぴょうの新たな活用法を見いだし、本県のブランド力向上に生かせないか。探せばいくらでもあるような気がする。