サンマが極度の不漁だ。8月1日から始まった北海道東方沖のサンマ棒受け網漁の水揚げ量は、9月10日時点で計約2千トン足らず▼日本のサンマ漁獲量は08年の約35万4千トンをピークに急減、17年は約8万トン余に落ち込んだ。漁獲量が減り始めた時期と、サンマ漁に中国が参入した時期とが重なるため「中国の乱獲が原因だ」との声が役所や漁業者から聞こえるようになり、それをうのみにした報道も多い▼だが、東京海洋大の勝川俊雄(かつかわとしお)准教授によると、サンマ資源全体に占める中国の漁獲量はわずかで、それが全体に影響を与えたとは考えにくいという▼水産庁は国際会議で各国に働き掛け、日本や中国など8カ国・地域による20年の漁獲量の上限を55万6250トンとするとの合意にこぎ着けた。「資源回復に前進」などと報道されたが、その効果は極めて怪しい。上限は、ここ数年の全漁獲量よりはるかに大きく、サンマ取り放題の状況が続くからだ▼勝川さんによると、日本のサンマの不漁は資源全体が減っているのに加え、日本近海の海水温が高く、サンマが回遊してこなくなったことが大きい。人間が引き起こした地球温暖化が関連している可能性があるということだ▼他人を批判するより、自らが資源管理を徹底し、サンマが暮らしやすい海の環境整備に努力するべきなのだ。