土砂を処理する藤田さん(奥)。庭には水没した車が放置されたままだ=19日午後、佐野市赤坂町

浸水被害に遭った末吉さん宅。床下にたまった泥や、汚れた緩衝材を取り出していた=19日午後、栃木市大平町下皆川

土砂を処理する藤田さん(奥)。庭には水没した車が放置されたままだ=19日午後、佐野市赤坂町 浸水被害に遭った末吉さん宅。床下にたまった泥や、汚れた緩衝材を取り出していた=19日午後、栃木市大平町下皆川

 台風19号が本県を直撃してから1週間となった19日、被災者は雨の状況を見ながら片付け作業を進めた。雨の予報が出ていたため、災害ボランティアセンターでの受け付けを見合わせた被災地もあったが、雨がやんだ後に再開した栃木市の被災地には週末ということもあり、多くのボランティアが訪れ汗を流した。佐野市の被災地でも遠方から来た親族らが、泥かきや掃除を手伝う姿が見られた。

 秋山川の堤防が決壊して一時「湖」と化した佐野市赤坂町周辺。いまだ室内外に大量の泥がたまっている家庭も多い。被災した祖母宅に両親らと手伝いに来たさいたま市、小学5年山崎来叶(やまざきらいや)君(11)は「おばあちゃんは今までいろんな所に連れていってくれた。恩返ししたい」と窓の泥を落としていた。

 決壊箇所から約50メートルの場所に自宅がある会社員藤田浩司(ふじたこうじ)さん(49)は、県外から会社の同僚が訪れる予定だったが、雨のため翌日に延期した。この日は雨がやむのを待って、妻と片付け作業を始めた。庭には水没した車4台と30~40センチ堆積した泥などが残る。「泥を出さないと、荷物を運べない。動いている方が、気が紛れるし、少しでも進めたい」と泥かきを続けた。

 佐野市内のボランティアセンターは雨の予報を受け、19日はボランティアの受け付けをやめた。永野川の決壊や巴波川の氾濫で浸水被害を受けた栃木市は、市内のボランティアセンターが雨のやんだ午後に受け付けを再開。週末を利用して、市職員や高校生らが参加した。14日のセンター開設後、この日が最も多い約230人が集まったという。

 同市大平町下皆川の種苗園には都内の取引先などから約10人の支援者が駆け付け、室内外の泥を出し終えた。従業員らに笑顔が戻りつつあるといい、代表男性(59)は「多くの方の協力で想定より早く泥をかき出せた。みんなの温かさに涙が出たね」と感謝した。

 同所、トラック運転手末吉克行(すえよしかつゆき)さん(63)宅には、横浜市から弟らが訪れ、床下の泥や泥まみれになった緩衝材を取り出した。「この作業が一番大変。臭いや虫がすぐ湧く夏じゃないのが救い」と汗を拭い「マンパワーでやるしかない」と話した。