栃木トヨタ自動車佐野店に並ぶ水没車両=17日午前、佐野市高萩町

栃木トヨタ自動車佐野店に運ばれてきた水没車両の車内=17日午前10時45分、佐野市高萩町

栃木トヨタ自動車佐野店に並ぶ水没車両=17日午前、佐野市高萩町 栃木トヨタ自動車佐野店に運ばれてきた水没車両の車内=17日午前10時45分、佐野市高萩町

 台風19号の影響で、多くの車両が水没した。河川の堤防が決壊するなどした佐野、栃木市では県内の大雨特別警報発表から5日たった17日も、自動車販売店に水没車両が持ち込まれ、店の敷地は汚泥にまみれた車両であふれる。レッカー移動が追い付かず、住宅に残ったままの車両も。一部の販売店は、代車にレンタカーも活用するが、数が足りないため中古車も被災者に貸し出す異例の対応を取っている。「生活の足」を失った高齢者からは「買い物にも行けない」と悲痛な声が上がる。

 栃木トヨタ自動車佐野店には同日までに、50台を超える顧客の水没車両が運び込まれた。全て廃車になる見込みという。普段は中古車を展示する場所などに水没車両が並ぶ。福永拓也(ふくながたくや)店長(53)は「今後さらに増えるだろう」と話す。

 同店は、車両保険で代車特約を付けている被災者に代車として貸し出すため、系列の会社からレンタカー約10台を確保した。しかし代車を求める被災者の数に追い付かず、中古車なども代車として貸し始めた。

 福永店長は「中古車を代車に出すのは過去にない。それでも車が足りない」と肩を落とす。

 トヨタレンタリース栃木では、栃木駅前店などにレンタカーを求める声が多く寄せられている。しかし同店もレンタカー20台が浸水するなどの被害を受けており、同社内でレンタカーの台数をやりくりして対応するという。

 栃木市中心部でも、数多くの車が水没し、動かなくなった。道路上でのレッカー移動は進んでいるが、住宅には今も多くの車が取り残されたままになっている。

 同市祝町、神山光弘(かみやまみつひろ)さん(80)宅では乗用車2台が水没した。代車もまだ来ず「足がないので不便。買い物にも行けない」とため息をつく。保険会社にレッカー移動を依頼したが「『いつできるか分からない』と言われた」という。

 こうした事態を受け、日本自動車連盟(JAF)は、中部本部と関西本部の計5県から本県に応援を派遣。佐野市内で車のレッカー移動に当たったJAF愛知支部の猪飼丞(いかいじょう)さん(23)は「車のハンドルロックが掛かっていたため、移動に2時間かかった」と話した。