小山市押切の杣井木(そまいき)川排水機場で台風19号が本県を通過した12日夜から13日にかけて、排水ポンプの一部が発電機の燃料切れのため約1時間稼働できず、燃料の備蓄もなかったことが17日、施設を管理する県栃木土木事務所への取材で分かった。

 同排水機場は永野川と支流の杣井木川の合流点にある。永野川の水位が上昇すると杣井木川に逆流するため水門を閉じ、ポンプで杣井木川の水を永野川に排水する。排水能力は毎秒7立方メートル。毎秒6立方メートルの排水能力がある本体4機のほかに、毎秒1立方メートルのポンプ16台が2017年に新設された。燃料不足で正常に稼働できなかったのはこのうちの2台。本体は正常に稼働していたという。

 排水機場には当時燃料の備蓄がなく、周囲が冠水した中を委託業者が胸まで漬かりながらポリタンクで燃料を搬入した。途中からは消防のゴムボートで運び込んだという。周辺では約30戸が浸水被害に遭った。

 同事務所の担当者は「発電機の燃料は満タンにしていたが、台風が来ると分かっていたのに備蓄していなかったのは反省点」と認めた。その上で「民間から借り上げた8台のポンプも稼働させていたため、全体として影響は小さかったと考えている」と話している。

 15年の関東・東北豪雨で同排水機場は建物1階のポンプ室などが水没し、本体4機の排水が停止した。この地域では当時69戸が床上、9戸が床下浸水被害に遭った。これを受け県は施設の耐水化を進め、今回は本体が正常に稼働した。一方、排水能力強化のため新たに設置した排水ポンプ16台は、燃料不足でその能力がフルに発揮させられなかった格好だ。