被災した民家で畳を上げるボランティア=16日午前、栃木市箱森町

 県内でも各地で、ボランティアによる支援が本格化している。栃木や宇都宮市内では16日から活動が始まり、多くのボランティアが被害を目の当たりにしながら作業に汗を流した。

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 床上浸水約9400棟を含む約1万3800棟が浸水被害に遭った栃木市。同市災害ボランティアセンターは16日、被災者宅にボランティアを派遣し始めた。浸水で壊れた家財などが放置される家屋も多く、市内外からボランティア約300人が訪れ、36軒で高齢者では持ち出せない物を運んだり、泥をかき出したりした。参加者には東日本大震災で被災した人もおり「大変さは分かる」「少しでも早く復旧してほしい」と願い作業に当たった。

 同市柳橋町の民家。ボランティア4人が重い家具や食器を搬出した。その一人の国学栃木高1年大友倖介(おおともこうすけ)さん(16)は仙台市出身。東日本大震災を経験しており「被災した大変さは分かる」と汗を拭いた。

 家主の中島正夫(なかじままさお)さん(74)は「家電など何度も動かそうとしたが、びくともしなかったので助かる」。まだ衣類など残る荷物は多いが「誰かが来てくれることは精神的にもありがたい」と感謝した。

 同市片柳町1丁目の被災者宅で家財や泥の搬出作業をした宇都宮市西川田町、山際紀秀(やまぎわのりひで)さん(52)は「少しでも力になりたい」と参加した。支援を受けた栃木市箱森町、田村政枝(たむらまさえ)さん(82)は「来てくれるのは涙が出る思い」と頭を下げた。

 同ボランティアセンターは14~16日で、計218件の要請を受け付けた。高齢者世帯などへ優先的にボランティアを派遣している。

 宇都宮市では16日、同市社会福祉協議会が災害ボランティアの受け付けを始めた。県内から約15人が、浸水被害を受けた田川や姿川周辺の住宅4軒で泥出しなどの作業に励んだ。

 姿川の氾濫で床上浸水した同市大谷町、無職福地(ふくち)ハツエさん(83)宅では5人のボランティアが活動。午前10時ごろから、家の周りにたまった土砂を集めたり、室内を雑巾で拭いたりした。

 ボランティアは初めてという同市一条1丁目、会社員高山栞季(たかやまかんき)さん(26)は「実際に作業してみて、被災された方の苦労を感じた」と話した。福地さんは「1人暮らしなので、手伝ってもらえて本当にありがたい」と感謝した。

 田川から水があふれ床上浸水した同市千波町、無職阿部信子(あべのぶこ)さん(74)はボランティアを待つ一人。「泥の除去や片付けは自分だけではどうにもできない」と漏らした。