浸水家屋の片付け作業を行うボランティアら

浸水家屋の片付け作業を行うボランティアら

浸水家屋の片付け作業を行うボランティアら 浸水家屋の片付け作業を行うボランティアら

 【那須烏山】台風19号による河川の氾濫などで浸水被害が出た地域で、16日も地域住民やボランティアらによる家具の運び出しや復旧作業が行われた。市によると、浸水棟数は2005年の合併以来最多。最も被害が出た下境地区の住民は「過去の茂木水害、那須水害を上回る水が押し寄せた。こんなことになるなんて」と恐怖を語った。

 市内の浸水被害は床上、床下合わせて205棟。このうち下境が54棟で最も多く、向田が43棟、城東と宮原がそれぞれ41棟だった。

 下境と向田は那珂川と荒川、江川の合流地点にあり、川からあふれた水が地域一帯に流れ込んだ。宮原と城東は那珂川の水位の上昇や土地の低さなどが要因となった。

 下境の塩野目知恵子(しおのめちえこ)さん(69)は1986年の茂木水害、98年の那須水害時の浸水を教訓に、3年前に2メートルかさ上げして家を建て替えた。それでも今回は自宅まで水が入り込み、1メートルの高さまで浸水した。

 夫と息子とともに2階に避難して夜を明かしたが、1階にあった家財道具や自家用車、軽トラックが台無しに。「建て替え時に平屋も検討したが、平屋だったら命が危なかったかもしれない」と声を震わせた。

 下境自治会の小室信行(こむろのぶゆき)行政区長(70)は「かつてない台風で、あっという間に水が押し寄せた。道路も冠水し、車で移動もできなかった」と振り返った。自治会内での被害の大きさに肩を落とす一方、被災直後から地域住民とともに炊き出しを行い、復旧作業を継続している。