家具類を運び出す災害ボランティア

上粕尾地区に出動した自衛隊の給水車

家具類を運び出す災害ボランティア 上粕尾地区に出動した自衛隊の給水車

 台風19号による河川の氾濫などで甚大な被害が出た栃木県鹿沼市粟野地域で本格的な復旧作業が始まった。15日は災害ボランティアも参加。家族、知人らと一緒に家屋から家具類を運び出し、泥かきに終日追われた。市の要請で、陸上自衛隊による給水車の配備も行われた。

 粟野川、思川の氾濫などで口粟野、久野地区などは広範囲で水没、浸水。粕尾地区も道路や電気、電話などライフラインに大きな被害が出た。

 台風から3日過ぎた15日、市社会福祉協議会の災害ボランティア受け付けが始まった。この日は群馬、茨城県など近県を含め30人が参加。グループに分かれて、要請のあった各家庭に出向いた。

 口粟野の40代男性宅には5人が出向き、家の中から家財類を運び出した。男性は「水は腰以上まで来て2階に避難した。泥が入り込み、後片付けはとても家族だけではできない」と話した。

 ボランティアの一人、埼玉県蓮田市消防団の甲斐一(かいはじめ)さん(40)はボランティアセンターの開設を知って駆け付けた。これまで東日本大震災、熊本地震時などにも被災地に出向いたと言い、「自分も被災者になったつもりで被災者と同じ目線で活動することを心掛けている」とし「休みの日はしばらく通います」と話した。

 ボランティアセンターの資材スタッフを担当した那須塩原市緑1丁目、保育士藤田幸秀(ふじたゆきひで)さん(33)は4年前の関東・東北豪雨時に市内で約3カ月ボランティアを務めた。「あの時の経験を生かし、今何が必要なのかを見極めたい」と言う。

 一方、陸上自衛隊第12特科隊は、市の要請で上粕尾地区の栃原細尾公民館など2カ所で午前10時から1トンの給水車2台を配備した。

 同地区は土砂崩れで前日まで車の往来ができなかった。井戸水、沢水を多用しているが、井戸は停電で使えず、沢水は濁ったままだ。60代の住民は「助かります。お湯にして飲みます」と持参した容器を抱えた。