秋山川の堤防決壊(右下)で浸水した住宅街=13日午後0時35分、佐野市寺中町、小型無人機から

秋山川の堤防決壊(右下)で浸水した住宅街=13日午後0時35分、佐野市寺中町、小型無人機から

 台風19号による記録的豪雨に伴い、県内は12日夜から13日にかけて佐野市の秋山川など各地の河川で堤防の決壊や氾濫が相次いだ。豪雨などに関係するとみられる事故で足利と栃木、鹿沼市で4人の死亡が確認された。けが人は栃木や佐野など5市に計17人。県内の避難者は同日朝の時点で約1万9千人に達し、午後2時の段階でも約2千人に上った。県内14市町に発表された大雨特別警報は同日未明に解除された。県の派遣要請を受けた自衛隊は、大規模に浸水した地域などで救出活動に当たった。

 県警などによると、同日午前3時10分ごろ、足利市寺岡町の水田に落ちた乗用車から救助された男女3人のうち、同所、無職山本紀子(やまもととしこ)さん(85)の死亡が確認された。同4時半ごろには栃木市薗部町の用水路から同市泉川町、職業不詳小松昭子(こまつあきこ)さん(60)が見つかり、その後に死亡が確認された。

 同5時5分ごろ、鹿沼市草久の県道の陥没箇所に転落していた軽乗用車にトラックが落下。押しつぶされた軽乗用車の同所、会社員小倉勲(おぐらいさお)さん(47)が死亡した。同6時半ごろには同市奈佐原町の黒川中州で土砂に埋まったRVを鹿沼署員が発見。車内にいた同市茂呂、会社役員早乙女健二(そうとめけんじ)さん(70)が死亡した。

 13日午後2時時点の県の集計によると、県管理の20河川の16カ所が決壊し、20カ所が氾濫。佐野市赤坂町の秋山川右岸の堤防は12日夜、約20メートルにわたり決壊し周辺一帯が浸水した。大田原市北大和久の蛇尾川左岸の堤防も13日午前3時55分ごろ、約200メートルにわたり決壊した。宇都宮市中心部の田川や栃木市の巴波川などは氾濫した。

 県は12日夜、自衛隊に災害派遣を要請、特別警報が出された14市町に災害救助法の適用を決めた。陸上自衛隊宇都宮駐屯地第12特科隊は浸水地域で13日午後2時時点で87人を救出した。

 県内で土砂災害はピーク時に20カ所で発生。12日午後10時45分ごろ、栃木市岩舟町小野寺の山林で起きた土砂崩れで民家1棟が巻き込まれ、女性(61)が閉じ込められたが、13日午前3時20分に救出された。

台風19号の主な県内被害
   ※13日午後2時、県危機管理課まとめ、一部下野新聞社調べ
人的被害  死者   4人(足利市、栃木市、鹿沼市)
      負傷者 17人(鹿沼市、佐野市、矢板市など)
住宅被害  床上浸水 114棟
      床下浸水 204棟
建物被害  水道施設 機能停止・機能不全(12カ所)
      病院   大平下病院(1階浸水および停電)
      高校等  県立高5校(床上浸水等)
           特別支援学校1校(床上浸水等)
           私立高4校(床上浸水等)
           私立専修学校等11校(床上浸水等)
      小中校  公立小学校16校(浸水等)
           公立中学校8校(冠水等)
避難者数(ピーク時)  25市町、369カ所、約1万9000人
県管理河川堤防決壊   思川、荒井川(鹿沼市)、永野川、三杉川(栃木市)、
            黒川(壬生町)、中川(矢板市)、内川(さくら市)、
            蛇尾川、百村川(大田原市)、荒川(那須烏山市)、
            秋山川(佐野市)
土砂災害(ピーク時)  20カ所(大田原市、那珂川町、那須町等)
通行止め 一般道   国道11カ所、県道79カ所、市町道147カ所
鉄道   東北新幹線 午後4時から再開
     在来線   午後5時から通常運転(宇都宮線)、
           始発から見合わせ(両毛線)、
           終日見合わせ(烏山線、日光線、水戸線)
     真岡鉄道  終日運休
     東武鉄道  終日見合わせ(佐野線)、
           一部区間を除いて終日見合わせ(日光線)、
           午後7時20分から再開(鬼怒川線)、
           午後10時から再開見込み(宇都宮線)
停電(ピーク時)   約2万800軒(14市町)