イチゴのビニールハウスの密閉作業に追われる佐野観光農園アグリタウンの関係者ら=10日午後、佐野市植下町

 大型で非常に強い台風19号が13日未明にも本県に最接近する見通しとなる中、県内の観光農園や農家は10日、ビニールハウスの倒壊を防ぐための作業を急ピッチで進めるなど対応に追われた。紅葉シーズンを迎えた3連休中の台風直撃の恐れに、観光への打撃を懸念する声も関係者から漏れた。本県選手団が出場予定だった国内最大の障害者スポーツの祭典も中止になるなど既に影響が広がっている。

 JA佐野の子会社が経営する佐野市植下町の「佐野観光農園アグリタウン」では10日朝から、強風でイチゴのビニールハウスが飛ばされないようにするための作業が大急ぎで進んだ。社員ら約40人がハウス(計約80棟)の入り口などに扉を取り付け密閉する。ハウスには12月上旬から始まるイチゴ狩りに向け、定植が終わった苗が並ぶ。

 12月から5月のイチゴ狩りには毎年6万人以上が訪れるだけに、JA佐野の大芦宏(おおあしひろし)組合長(71)は「風が怖い。備えられるだけ備えたい」と不安を語った。

 県内有数の生産量で知られる矢板市のリンゴは今が収穫期。生産者の男性は「収穫できる分だけ収穫したが、主力は11月に実る『ふじ』。風は対策のしようがない」と気をもんだ。

 影響は行楽シーズンの観光にも及ぶ。那須岳(茶臼岳)にある「那須ロープウェイ」の江田康範(えだやすのり)所長(71)は「書き入れ時の3連休の台風は痛いが、自然相手では仕方ない。安全を第一に(運行中止などの)判断を行いたい」と話す。

 日光市観光協会の福田栄仁(ふくだえいひと)事務局長(64)は「紅葉の好条件が整ってきただけに葉が落ちないか心配。宿泊施設のキャンセルも出ている」と表情を曇らせた。

 茨城県で12~14日に開催予定だった「第19回全国障害者スポーツ大会」(障スポ)は中止に。2022年に本県での大会を控え、過去最多となる96人の本県選手団が参加を予定していた。水泳に出場予定だった斎藤一法(さいとうかずのり)主将(51)は「来年の大会へ照準を合わせる」と前を向いた。

 県教委などによると、国分寺特別支援学校は11日に日帰りで予定していた茨城県内への修学旅行を取りやめた。宇都宮短大付属高と同付属中、文星芸大付属中は12日を休校とした。