県と宇都宮市は6日までに、県内25市町の「大規模盛り土造成地マップ」を公表した。一定規模以上の盛り土造成地は全25市町に計396カ所あり、最多は対象の住宅団地が多い宇都宮市の84カ所だった。公表は、全国で大地震の際に地滑り被害などが発生していることから、住民の防災意識を高める狙い。調査段階の目視確認で危険な箇所はなかったが、県や同市はマップの確認や盛り土の状態の観察を呼び掛けている。

 阪神・淡路大震災や新潟中越地震などでは谷間や山の斜面を大規模に盛り土した造成地で地滑り被害が発生。本県でも東日本大震災で、矢板市の住宅団地が被害を受けており、国が全国の自治体に調査・公表を求めていた。

 対象は盛り土面積3千平方メートル以上の「谷埋め型」と、盛り土前の傾斜が20度以上で盛り土高5メートル以上の「腹付け型」。マップは造成前後の地形図などを解析して対象の位置と規模を示したもので、危険度を表すハザードマップとは異なる。

 マップによると、市中心部から北方の丘陵地に住宅団地が連なる宇都宮市が84カ所で最多。旧喜連川町内に対象の住宅団地、工業団地が多いさくら市が45カ所で続いた。同様に鹿沼と矢板の両市も38カ所ずつあった。

 主な用途別では、住宅団地と住宅の住居系が208カ所。公共施設や工業団地、工場などの非住居系が188カ所だった。マップは県や宇都宮市のホームページなどで閲覧できる。

 県は盛り土の擁壁などを適正管理するよう所有者らに注意喚起し、市町と定期的にモニタリングしていく。県住宅課は「マップを見て自宅や周辺が該当するか確認してほしい。該当しても必ず危険ということではないが、盛り土が安定しているかどうか日頃から観察してほしい」としている。