野球独立リーグの日本一を決めるグランドチャンピオンシップ(CS)第1戦が5日、小山運動公園野球場で行われ、ルートインBCリーグ王者の栃木ゴールデンブレーブス(GB)は延長十回、6-7で四国アイランドリーグplus王者の徳島に敗れた。
栃木GBは初回、1番内山翔太(うちやましょうた)の四球を足掛かりに1死一、三塁とし、主砲ルーカスの中前適時打で先制。二回は谷津鷹明(やつたかあき)の中越え2点本塁打、三回はルーカスの右越えソロ本塁打で追加点を奪った。
しかし、3点リードで迎えた五回に先発の斎藤誠哉(さいとうせいや)が打者一巡の猛攻を浴び一挙5失点。打線は2点を追う八回、1死一、二塁から、敵失と野崎新矢(のざきしんや)の遊ゴロの間に同点に追い付いたが反撃もそこまで。延長十回に5番手の金本享祐(かねもときょうすけ)が1死三塁から決勝の犠飛を打たれ、そのまま逃げ切られた。
グランドCSは全5試合の3戦先勝方式。第2戦は6日午後1時から同会場で行われる。
■積極的進塁に投手陣崩される
地区チャンピオンシップ(CS)からの不敗記録が7試合目でついに止まった。独立リーグ日本一の座を懸けたグランドCS第1戦を延長の末、1点差で落とした栃木GB。寺内崇幸(てらうちたかゆき)監督は「いい形で先制できたが、相手も実力チーム。甘くなかった」と唇をかんだ。
3点リードの五回、先発の斎藤誠哉(さいとうせいや)が「腕が振れていなかった」と2死から5安打を浴びて5失点。群馬との地区CS第1戦で6回無失点、信濃とのリーグCS第1戦で7回無失点と抜群の安定感を見せていた左腕は「リリーフ陣に迷惑をかけた」と沈痛な表情で語った。
そして指揮官が「積極性のある思い切った攻撃」と脱帽したのは相手のそつのない攻撃。安打数は栃木GBより1本少ない11本で長打は二塁打2本だけだったが、五回は2死一、二塁で代走が左前打で生還。十回は明徳義塾高(高知)のエースとして甲子園をにぎわした先頭の岸潤一郎(きしじゅんいちろう)が右前打で出塁し、二つの盗塁で三進。5番打者の犠飛で決勝点をもぎとった。
単なる1敗だが、先発の柱とリリーフの要が攻略されたショックは小さくない。寺内監督は徳島の実力の高さを認めた上で「もっと相手に向かっていく気持ちで、守備でも攻める姿勢を貫いてほしい」とナインの奮起を促した。
■相手チームの情報不足
○…相手を1本上回る12安打を放った栃木GBが1点差で惜敗。5番・DHの飯原誉士(いいはらやすし)は「相手チームについて知らないことが多く、普段と同じようにいかなかった」と肩を落とした。
打線は三回までに2本塁打を含む7安打で4点を奪ったが、四回以降は単打のみの5安打。八回は1死一、二塁から敵失と内野ゴロで同点に追い付いたが、なおも迎えた2死満塁で飯原が遊飛に倒れるなど、好機でつながりを欠いた。
所属リーグが違う徳島とはもちろん初対戦。9月29日にリーグ優勝を決めてから中5日でグランドCS第1戦を迎えただけに、準備は十分ではない。飯原は「攻守両面で少しの隙が命取りになる。次は勝ちにいく」と2戦目に気持ちを切り替えていた。