那須雪崩事故から2年半に合わせ公表した文書を手にする毛塚辰幸さん=26日午後、栃木市内

 那須町で2017年3月、春山登山講習会中だった大田原高の生徒7人と教諭1人の計8人の命が奪われた雪崩事故で、同校山岳部第3顧問毛塚優甫(けつかゆうすけ)さん=当時(29)=を亡くした父辰幸(たつゆき)さん(67)が26日、独自に配布した講習会責任者らへの質問書を基に、事故原因について考察した文書を公表した。「リスクに対し無自覚、無防備な状態で訓練は実施された」など、13項目にわたり事故を分析。「雪崩事故は防げた」と強調した。事故は27日、発生から2年半を迎える。

 A4判、21ページに渡って質問と回答、事故原因の分析や考察が並ぶ。毛塚さんがまとめた文書「雪崩事故はなぜ防げなかったのか」。事故から2年半に合わせて報道陣に公表した。

 質問書は事故から2カ月後の17年5月、講習会を主催した県高校体育連盟側の説明会で、毛塚さんが独自に講習会の引率教諭ら13人に配布した。「無我夢中だった」(毛塚さん)。質問書は回収、集計したが、詳細な分析は手つかずだった。

 今年5月。質問書で得た回答と遺族としての自分の考えを記録に残したいと、結果の具体的な分析作業を始めた。46の質問事項を一つ一つ精査し、考察を加えた。その都度、雪崩事故の検証委員会が17年10月にまとめた最終報告書と照らし合わせた。2案、3案と何度も書き直し、8月末にまとめ終えたという。