ふるさと納税で全国一の寄付金を集めた大阪府泉佐野市が制度から締め出され、国地方係争処理委員会は総務相に再考するよう勧告をした▼係争委は総務省に置かれ、委員は総務相が任命する。同省は、身内から「NO」を突き付けられた格好だ。さらに、総務省の対応が、自治体に対する国の介入を最低限に抑えるべき地方自治の原則に反しかねないと指摘したのは、地方自治の所管省庁としてばつが悪い▼確かに同市は「調達費は寄付額の30%以下」「返礼は地場産品」としたい総務省を無視し、返礼品競争の過熱を招いた。しかし、この基準が法定化された6月以前の自粛要請段階でのことだ。ペナルティーを科するのはやり過ぎだという係争委の判断は納得できる▼金券のような通販ギフト券で、巨額の寄付を得た泉佐野市も度を越していた。よその税収を奪う形の制度なのだから、節度はあるべきだ▼一方、総務省は地域活性化のため自治体に創意工夫を求めながら、この問題では枠をはめて抑え込もうとするのは封建的であり、違和感がある。もし法定基準の下でも寄付行為にほど遠い返礼品が横行するなら、廃止も選択肢になろう▼ただ、自治体に目を向ければ、真面目に運用して財源確保やファンづくりが奏功しているケースもある。そのはしごを外さぬ仕組みは必要だ。