香川県西部の三豊(みとよ)市にある父母(ちちぶ)ケ浜海岸。南米ボリビア・ウユニ塩湖の「天空の鏡」のような絶景が見られると話題になり、ここ2年で人気が急速に高まった
▼鏡の正体は干潮時に現れる潮だまりで、波の影響を受けないため、穏やかな水面になって上下対称の風景を生み出す。日没直前に空がオレンジ色に染まり、夕日に照らされてできる人影がなんとも幻想的だ▼きっかけは観光協会主催の3年前のフォトコンテストにさかのぼる。佳作だったが、出品れた海岸の夕暮れ時の写真を協会がSNSに投稿したところ、評判が評判を呼び、全国各地から観光客が訪れるようになった。昨年は26万人。今年は7月までに25万人を数える▼ひなびた海岸にしゃれたカフェができ、旅行会社のツアーに組み込まれるなど通年でにぎわうようになった。SNS効果は絶大である。海なし県の本県にも夕日が美しい場所はある▼奥日光の中禅寺湖では、天候に恵まれれば極上の夕日を見ることができる。県はかつてイタリア大使館別荘記念公園など湖畔施設で、夕日と音楽を楽しむ夕景鑑賞事業を試みた。好評だったが2年ほどで終了したのが惜しまれる▼夕日をPRし、地域活性化に生かそうとする観光地は全国に数多い。父母ケ浜はその成功例と言える。売り出し戦略に学ぶべきところは多い。