杉田さん(右)が考案した裏メニューを提供する伊沢店主

 【宇都宮】地域に残る大衆食堂の文化を継承しようと西川田本町、会社員杉田栄弘(すぎたよしひろ)さん(44)が県内の食堂を巡り、既存の料理から「裏メニュー」を発案してブログで発信し反響を集めている。閉店寸前だった食堂が裏メニューの登場以降、全国から家族連れや女性が訪れ大盛況となったケースも。杉田さんは「親しみやすい食堂ならではの魅力を生かし、観光客を呼び込むきっかけをつくりたい」と話す。

 杉田さんの実家は、日光市内で食堂を営んでいた。両親が他界し、7年ほど前に閉店した。

 実家だけではなく、高齢化に伴い昔ながらの食堂が次々に廃業する光景を、杉田さんは目の当たりにした。「食堂は客と店主の距離が近く、地域の食文化が根付いているからこそ県外の人に知ってほしい」と県内の食堂を巡り、ブログで発信するようになった。

 親しみやすさをアピールするため、2年ほど前からはあえてメニューにない料理を注文し、裏メニューとしてブログで紹介するように。店の負担にならないように、既存の料理を組み合わせて考案した。

 若松原1丁目の「みかさ食堂」では長崎県のご当地グルメ「トルコライス」など5品を裏メニューとして提供しており、来客のほとんどがこれら目当てという。客は青森県から熊本県までの各地から訪れるようになった。同店の伊沢光久(いざわみつひさ)店主(63)は「地元の人にさえ知られておらず閉店寸前だったが、杉田さんのアイデアのおかげでにぎわうようになった。食堂の文化が県内で盛り上がってほしい」と感謝を表した。