7月の参院選で再選した元高根沢町長の高橋克法(たかはしかつのり)さんは、選挙戦の演説で「たんたんたんぼの…」と、決まり文句で故郷を語っていた▼船村徹さん作曲の高根沢音頭の一節だが、その同町の田んぼが、大嘗祭(だいじょうさい)に献上されるコメを収穫する斎田「悠紀田(ゆきでん)」に決まった。耕作者(大田主(おおたぬし))の石塚毅男(いしつかたけお)さん(55)=同町大谷=だけでなく、町内の生産者にも、この上ない栄誉だ▼生産地とともに、関心を集めてきたのがコメの品種。18年産食味ランキングで特A評価の本県産3品種のうち、地名を冠したものを望む声はあった。本県のアピールにもうってつけの「とちぎの星」が選ばれたことを心から喜びたい▼大田主には、健全な心身も求められるという。多忙感は増すし、かつてなく気の抜けない日が続く。克服する体力、気力が重要だ。がっちりタイプの石塚さん。「ひと言で言うとクマさん」と、頼もしさを表現する人もいる。きっと大役を果たしてくれることだろう▼ちなみに京都からの献上米は「キヌヒカリ」。鬼怒川が流れる北関東にもありそうな名前だが、由来は「絹のようにつややか」だという。西日本で広く栽培されている▼生涯一度きりの厳粛な儀式に臨む天皇陛下の緊張はいかばかりか。本県産のコメのおいしさが、それを少しでも和らげてくれることを願ってやまない。