来年4月に稼働する県畜産公社の新食肉センター(芳賀町)は、国際基準の食品製造工程管理手法「HACCP(ハサップ)」を導入し、米国や欧州連合(EU)への食肉の輸出を目指している▼牛肉は県全体の農産物輸出額のトップで約45%を占める。福田富一(ふくだとみかず)知事は先ごろ、センター開所に向けて農林水産省を訪れ、輸出に向けた技術支援や、人材育成面などで国の支援を求めた。背景には輸出先国の食品安全規制の厳しさがある▼兵庫県姫路市の食肉処理施設の場合は、「神戸ビーフ」の米国向け輸出施設として2017年3月に完成したが、認定を受けるまで2年以上かかった。同じ轍(てつ)は踏みたくないということだろう▼農水産物の輸出強化は安倍政権の次の戦略目標とされる。人口減少で国内の市場規模が縮小するのに対し、世界の食料需要は2015年の890兆円から30年には1360兆円に増加する。10月の臨時国会には輸出促進のための法案の提出を検討している▼農水相を本部長とする司令塔組織を創設し、各省が参加する輸出本部を設置するほか、実行計画などを策定する。輸出を円滑化するため国を挙げて取り組む▼県は9月補正予算案で、ハサップ認定に向けた外部コンサルタント委託や流通ルート調査費などに600万円を盛り込んだ。準備は怠りないようだ。