災害時に自力で避難が難しい高齢者や障害者らを支援するため、一人一人の具体的な避難手順を記す「個別計画」について、県内は6市町が未着手であることが9日までに、全25市町への取材で分かった。実際に付き添って高齢者ら対象者を避難させる支援担当者を、近所で見つけにくい現状などが背景にあるという。一方、個別計画の作成を進めている市町には、対象者全体に対して作成した割合が低いという課題もある。関東・東北豪雨から10日で4年。豪雨災害が各地で相次ぐ中、近隣同士の互助を取り入れた災害弱者対策の促進は道半ばだ。

 国は2013年、死者のうち65歳以上の高齢者の割合が約6割に上った11年の東日本大震災を踏まえ、災害弱者対策の拡充に向けて災害対策基本法を改正。避難行動要支援者の名簿作成を自治体に義務付け、名簿を基にした個別計画の作成を努力義務とした。

 名簿は要介護度や障害者手帳を基に対象者を抽出でき、現在24市町が作成済み。残る塩谷町も9月中の完成を目指し作業中という。しかし個別計画は那須烏山、茂木、芳賀、塩谷、高根沢、那珂川の6市町が作成に着手できずにいる。

 個別計画には、近隣住民など避難支援の担当者や避難支援時の留意点、避難場所や経路などを記載する。那珂川町の担当者は「高齢化が進む中、支援担当者が見つけにくい地域もある。実効的な計画作りの手法を検討中」と打ち明ける。個別計画作成のための人員不足を理由に挙げる自治体もあった。