那須町で2017年3月、大田原高の生徒と教員計8人が死亡した雪崩事故で、県教委と知事部局が共同で設置し、遺族らを交えて高校生の登山の在り方などを検討する新組織の初会合が、10月下旬にも開かれる見通しとなったことが9日までに、関係者への取材で分かった。遺族側は、高校の部活動で生徒に登山をさせるべきかといった根本的な部分から議論していきたい考えという。委員は12人で、事故の遺族3人のほか、遺族側が就任を要望した識者らで構成する。

 県教委から新組織案の提示を受けた遺族側が9日までに、内容を受け入れた。新組織の名称は「高校生の登山のあり方等に関する検討委員会」。県教委が策定した再発防止策の実施状況を検証するとともに、高校登山の在り方や、安全登山実現に向けた事業の改善などについて話し合う。

 遺族側の要望を受け、遺族の3人や学校事故の研究者が委員に就く。他に県山岳・スポーツクライミング連盟や宇都宮地方気象台、県県民生活部や県環境森林部、県教委の担当者、弁護士などで構成する。

 県教委は当初、再発防止策の実施状況を確認する機関として、遺族や外部有識者らによる連絡協議会(仮称)を18年9月に設置する予定だった。しかし「高校登山の在り方から議論し直すべきだ」とする遺族側の声を踏まえ、新組織の検討を進めていた。これまで遺族側弁護団と、新組織の目的や委員構成などについてやりとりを続けていた。

 事故で亡くなった奥公輝(おくまさき)さん=当時(16)=の父勝(まさる)さん(48)は、委員として新組織に参加する予定。「県教委の再発防止策(に対する姿勢)は、検証委員会の提言を形だけこなすものに感じるが、新組織での議論を通じてわれわれが望む方向性に近づくのではないか」と期待感を示した。一方で「どんなことをどんなレベルまで話し合えるのか、まだ分からない」と不安も述べた。