床に漆を塗る学生たち。壁は和紙を重ね合わせて仕上げた

 【足利】古民家の室内を和紙や漆など日本ならではの素材で再生する「和紙でくるむ家」プロジェクトの作業が4日まで、通3丁目の古民家で行われた。文星芸大の学生たちが室内をギャラリーなどに活用できるスペースとしてよみがえらせる3年計画のプロジェクトで、今回は和紙を貼った床に漆を塗り重ねる仕上げ作業を行った。来春のアートイベント「あしかがアートクロス」などでお披露目する予定だ。

 同大総合造形専攻で市出身の大澤慶子(おおさわけいこ)准教授、日本画の中村寿生(なかむらとしお)准教授らと学生たちが、古民家の活用などを考える市内の市民団体「つなぐつむぐ会」などの協力を得て2017年に始めた。本年度が最終年度。

 手掛けるのは昭和初期の木造2階建ての2階にある6畳2間。初年度は畳や壁、天井を剥がす作業から始めた。その後、壁は市内で盛んだった織物産業のイメージで和紙を重ね合わせて整えた。

 今回の作業は4日まで3日間、床に漆を3度塗りして仕上げる。3日は学生8人が漆を使う造形作家いらはらみつみさんの指導で、初日に希釈した漆を塗った上にヘラで重ねていった。

 床面は徐々に光沢を帯びる仕上がりに。2年目から参加している同大総合造形専攻2年生小堀(こぼり)さなえさん(19)は「学校では体験できないことを知ることができる。和紙や漆でこういう見せ方ができる、ということを知ってほしい」と話した。

 中村准教授は「古い物から昔の知恵が学べる。1人で絵を描くだけでは学べないことを学べる」と話す。最終年度の本年度はさらに天井を和紙で仕上げ、飾り棚などを設けて完成させる。