校内のコンビニエンスストアのレジで電子マネー機能付き身分証明書を利用する生徒ら=7月中旬、宇都宮短期大付属高

 現金を使わない「キャッシュレス決済」が社会に浸透する中、県内の私立学校で電子マネー機能を付けた生徒らの身分証明証を導入する動きが出始めている。金融教育のほか、現金紛失などのリスク低減につなげる効果もあるようだ。

 宇都宮短期大付属中・高(宇都宮市睦町)は今春、生徒らの身分証明書として電子マネー「nanaco(ナナコ)」の機能を付けた集積回路(IC)カードを導入した。事前に入金(チャージ)しておけば、レジなどでかざすだけで買い物ができる。ナナコの運営会社をグループに持つセブン&アイホールディングス(東京)によると、ナナコ付きの学生証の導入は同校が全国で初めてという。

 世界的にキャッシュレス決済化が進み、政府も2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度への引き上げを目指すなど、推進の動きを強めている。須賀英之(すかひでゆき)校長は「社会に出る前に、生徒に慣れ親しんでほしい」と期待。金融教育の一環として位置付けるほか、現金紛失の防止などにも役立てたい考えだ。

 電子マネー機能付き身分証明書の導入に伴い、同校内のコンビニエンスストア2店のレジや、生徒食堂の食券販売機、飲み物の自販機を電子マネー対応にするなど、校内のキャッシュレス化も進めた。ナナコに対応している店舗であれば、校外でも使える。

 小銭を用いないため、昼休み時の校内コンビニでの支払いがスピーディーになり、混雑の解消という効果も出ているという。同高校3年の八木沢心(やぎさわしん)さん(18)は「多くの現金を持ち歩かなくなり、支払いもスムーズになったと感じている」と話した。

 生徒の身分証明書に電子マネー機能を付けているのは同校だけではない。

 那須町梁瀬の幸福の科学学園中・高も電子マネー「楽天Edy(エディ)」カードに生徒の身分証を貼り付ける形で導入。全寮制のため、現金の紛失防止など管理面でのリスクを減らすことなどを目的に、10年春の開学時に採用した。

 同校の小泉真琴(こいずみまこと)教頭は「開学当初、各地の全寮制の学校を参考にした。身分証と一体なので、落としても見つかりやすいという利点もある」と説明する。

 一方、県立学校での動きは現段階ではなく、「今のところ身分証明書に導入している学校はない」(県教委)としている。