台湾スイーツとして知られるタピオカミルクティーのブームが止まらない。宇都宮市役所近くにオープンした専門店も、曜日を問わず長い行列ができている▼5年ほど前にブームが起き、今も人気が衰えていない日本伝統の飲み物が甘酒である。テレビの健康情報番組で火が付いた。甘酒を本格的に作っていた大田原市の岩上商店には注文が殺到した▼今年創業160年を迎えた老舗で、甘酒の原料は地元産コシヒカリと米糀(こうじ)に、那須野ケ原の伏流水だけ。35度以上の糖度と無添加が自慢という。社長の岩上昌雄(いわかみまさお)さん(65)は「通常の5倍ほどの注文が来たが、生産が間に合わなかった」と振り返る▼今も続くブームは美容と健康を意識した若い女性が担っている。日本酒の蔵元やみそ店などの参入が相次ぎ、スーパーなどの店頭には、実にさまざまな種類がある。業界は戦国時代の様相と言っていい▼岩上商店はイチゴやカボチャ、梅しそ、レモン味など多彩な種類を扱う。同店の甘酒を使ったアイスバーに果物を乗せた商品も登場した。その進化には目を見張るものがある▼「飲む点滴」といわれるほど栄養に富むため、江戸時代には暑さを乗り切る滋養ドリンクとして夏の飲み物だった。俳句の世界では夏の季語となっている。猛暑で疲れた体を癒やすにはもってこいかもしれない。