覧船の展望デッキから男体山を眺める家族連れ

イタリア大使館別荘記念公園近くに新設された桟橋

覧船の展望デッキから男体山を眺める家族連れ イタリア大使館別荘記念公園近くに新設された桟橋

 【日光】間もなく秋の装いとなる奥日光。秋の紅葉シーズンを前に8月下旬、記者が人気の中禅寺湖クルージングを体験した。6月に新桟橋ができた湖の東岸周辺など、人気スポットも散策。小さな旅は、夏ばて気味の体と心を癒やしてくれた。

 いろは坂の渋滞もなく、標高約1300メートルの中禅寺湖に到着。温泉街の山腹の県営湖畔駐車場に車を止め、近くの「船の駅中禅寺」から午前9時半始発の新型遊覧船「男体」(定員450人)に飛び乗った。乗り降り自由の1周フリー乗船券(大人1400円、子ども700円)が好評だという。この日も臨時便が出ていた。

 船の屋上デッキに出ると、湖上を渡る涼風が気持ちいい。小学生の孫と男同士の旅をしているという東京都新宿区、福島範郎(ふくしまのりお)さん(70)は「この風景には癒やされます」と霊峰・男体山を見上げていた。山の懐に抱えられているようにも見える中禅寺湖。ゆったりとした時の流れに客の表情も穏やかだ。

 約40分後、東岸のイタリア大使館別荘記念公園近くに新設された新桟橋に着いた。船を下りて優雅な別荘のベンチで休憩する。湖畔の静寂さ、船が去った後の湖面の波紋、流れる雲。関西弁の女性グループが歩きながら「涼しくてええな。下界に降りたくないな」とつぶやいていた。記者も心の中で「そうやろうな」と、関西弁でつぶやいた。

 公園を抜け、森林浴しながら歌ケ浜の中禅寺立木観音に向かった。歩いて約15分。観音様に手を合わせた後、高台にある五大堂から湖を望む。絶景だ。

 近年、国際リゾート地として再評価されている奥日光。湖畔沿いには、来年7月開業予定の高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」の建設現場がある。外観の一部が見えてきた。

 今回は約4時間の行程だったが、フリー乗船券で乗り降りしながら名所を巡り、1日たっぷり非日常の時間を楽しめる。湖周辺は例年、9月下旬に紅葉が始まる。渋滞を避け、平日の早朝にでもまた来てみよう。