早稲田大を常勝校に育て上げるなど、戦後の日本ラグビー界の伝説的存在だった大西鉄之祐(おおにしてつのすけ)さんは一時期、高校で指導したことがあった▼先日のしもつけ21フォーラム講師だったTBSテレビ社長の佐々木卓(ささきたかし)さんが雑談の中で、早大学院高(東京都)3年時に受けた指導の様子を教えてくれた▼大西さんは春先、選手に100のサインプレーを教え練習させた。それを徐々に絞り込み、大会前には三つにして精度を上げたという。1回戦負けが続いていた同高だが、1年で全国大会に初出場するまでに成長した▼要はいろんな可能性を試させ、より適したものをえりすぐって練り上げる、ということなのだろう。これは会社組織での人材育成にも通じる考え方である。もちろん上司や先輩には、適性を見極め指導する力が求められる▼佐々木さんは早稲田大でも大西さんの指導を受け活躍。今でもラグビー、そして日本代表への思い入れは強い。ワールドカップ日本大会の開幕を来月20日に控え、「(開幕戦で)ロシアに勝ったら大ブームになる」「焦点はスコットランドに勝てるかどうか」と、壇上から熱く語った▼日本代表には国学院栃木高出身のスタンドオフ田村優(たむらゆう)選手(キヤノン)も名前を連ねた。田村選手のトライで強豪に勝利…などというシーンを夢見ながら本番を待ちたい。