二十四節気の処暑が過ぎ、このところ朝晩はめっきり涼しくなり、秋到来が肌身で感じられるようになった。熱中症にはまだ警戒の手を緩めてはいけないが、寝苦しい夜から解放されるのはうれしい限りだ▼この夏を総括すれば記録的な梅雨寒から一転、猛暑が続き、一言で言えば変な夏だった。近年は異常が日常と化しており、まさに地球温暖化に伴う現象なのだろう。地上の20%の酸素を供給するという南米アマゾンの森林火災が深刻と聞き、不安が一層増す▼究極のエコカーといわれ、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)は、温暖化防止の切り札の一つとされるが現実には普及が遅々として進まない。理由は明快。肝心の燃料を補給する商用の水素ステーションの設置が遅れているからだ▼全国で約110カ所。本県には長らくなかったが、ようやく来年2月に栃木市に第1号が誕生することになった。大手運送会社が国と県の補助金を生かして開設に踏み切る▼だが広い県内に1カ所では心もとない。せめて県北、県央への配置が欠かせない。県は民間事業者への働き掛けをより強める必要がある▼今は1台約700万円と高価なFCVだが、普及すれば価格も下がり、県民の購入意欲も高まるだろう。全国有数のクルマ社会の本県で官民挙げた取り組み強化が求められている。