投票所が近づくと、話し声が聞こえた。「しまった。先を越された」と落胆の思いがよぎった。

 選挙といえば有権者の無関心が話題になるが、候補や陣営以外の人たちが一部で“熱い戦い”を展開している。それは零票確認。ゼロ票確認とも呼ばれ、最初の投票者が投票箱が空であることを確認する作業だ。参院選投票日の7月21日、この一番乗り争いに、宇都宮市内で私も初めて加わってみた。

 しかし、投票開始の15分前に到着した私の前には、すでに2人がいた。私は「この時間じゃ遅かったんですね」と苦笑した。先頭の男性は30分以上前に着いていたといい、「確認は3人でするそうですよ」と予想外の言葉が続いた。市選管によると、人数については明確な規定がなく、市はより公平性を確保するために「可能な限り複数で確認する」との方針で運用しているという。

 開場を待っていると、さらに数人がやって来て残念そうな表情を見せていた。私は他の2人と、空の投票箱と施錠を確認。微力ながら、選挙の公正を守ったのだった。