梅雨寒がたたり、わが家で育てているゴーヤーは葉が茂らず、今夏は「緑のカーテン」にならなかった。実も数えるほど。天候のせいとはいえ、何とも悔しい▼県内のある町長は、もっと苦い経験をしたようだ。日照不足による家庭菜園の“惨敗”に加え、トウモロコシがハクビシンに食い荒らされたと、町のホームページにある「日記」で嘆いていた▼白鼻芯と書き、猫に似たこの動物はその名の通り、鼻筋に白い模様がある。野生鳥獣による県内の農作物被害額で、最も多いイノシシの次にランクする。生息域が瞬く間に広がってシカを抜き、イノシシのお株を奪う猪突(ちょとつ)猛進ぶりだ▼甘い物が大好きで、イチゴにも目がない。ハウスに侵入したら1棟丸ごと、収穫直前の赤い実だけかじるので、農家は悔しいどころでは済まない▼「いちご王国」を守ろうと、県は3月、ハクビシンに的を絞った対策マニュアルを作成した。出荷できないイチゴをハウスの外に放置したり、箱わなの餌に使ったりするのは「餌付けしているようなもの」と注意を促す▼小さな隙間から入り込み、市街地の民家の屋根裏にすみ着くケースも多い。「あなたのすぐそばにいる可能性がある」と担当者。かわいい見た目と違って凶暴だというから、そばにいるのはごめん被りたい。農家に限らず用心しなければ。