「毎週、クレジットカード1枚分のプラスチックを食べられますか」。こう問いかける、環境保護団体、世界自然保護基金(WWF)がつくったビデオが注目を集めている▼海洋汚染が深刻なペットボトルやレジ袋などの使い捨てプラスチックごみ問題に警鐘を鳴らすのが目的で、オーストラリアのニューカッスル大などの研究成果に基づく▼海に出たプラスチックは波や風にもまれたり、紫外線で劣化したりして「マイクロプラスチック」という微粒子になり、魚介類の体内に取り込まれてゆく。発生源は地上にもあるので、大気中にも存在することが分かってきた▼同大の研究グループは、食品や飲料水などの中のマイクロプラスチックの量に関する研究成果を集め、一般的な暮らしをしている人が体内に取り込む量を推定した。その量は1週間だと5グラム程度、クレジットカード1枚分に匹敵する▼データは限定的で不確実性も大きく、人体への影響はほとんど分かっていない。ビデオが示すのは、使い捨てたプラスチックが環境を汚染し、それがブーメランのように人間に戻ってくるという現実だ▼リサイクルも大事だが、何より重要なのは使い捨てにしたプラスチックの使用量を減らすことだ。ごみになったプラスチックが、わが身に戻ってくると知ればその努力にも力が入るだろう。