剣道場で生徒を指導する生沼さん(中央)

生徒を集めてミーティングを行う橋本さん

剣道場で生徒を指導する生沼さん(中央) 生徒を集めてミーティングを行う橋本さん

 小山市教委は本年度、教員の負担軽減のため、部活動の指導や引率などの業務を顧問がいない時でも行える「部活動指導員」を初めて導入し、5人を委嘱した。県内では宇都宮、益子などが導入している。現場からは、「教員の働き方改革になる」「指導員から勉強することで、顧問の指導力向上にもつながる」など歓迎の声が上がっている。一方で、なり手の確保といった課題も見えてきた。

 絹義務教育学校の剣道場では6月下旬、部活動指導員を務める小山市田川、元会社員生沼孝春(おいぬまたかはる)さん(64)が試合形式で実戦力を養う「互角稽古」を生徒にさせ、指導に当たっていた。

 これまで教育現場との接点はなかったが、自身が通う道場で子どもを指導した経験はあり、「子どもたちと触れ合う良い機会だし、地元にも貢献できる」と市教委からの打診を二つ返事で受けた。4月中旬からの約2カ月の活動を振り返り、「顧問の先生とうまく連携し、私は技術指導に特化できている。子どもに教えることは自分の勉強にもなる」と話した。

 同校剣道部顧問の亀井祐介(かめいゆうすけ)教諭(28)は剣道経験がない。「これまでは自分がやったことのない競技を教える際、生徒や保護者に申し訳ないという気持ちが絶えずあったが、生沼さんのおかげでそうした悩みが解消できている」と明かした。

 「急用などで目を離している間も生沼さんに指導をしてもらえるため、すごく助かっている」と亀井教諭。以前の学校では外部指導員を招くことはあったが、「自分が付きっきりでなければいけないため、そういうことはできなかった」と振り返る。

 そうした上で、「単独で指導全般を任せられるには、学校現場への理解や高い人格が求められる。本当にいい制度だと思うが、それだけになり手を見つけるのが困難では」と指摘する。最近では、宇都宮市内の中学校で男子バレー部の外部指導員が足を蹴る事件が起きた。