「為せばなる、為さねばならぬ何事も」。江戸時代、米沢藩主の上杉鷹山(うえすぎようざん)が家臣に示した名言とされる。伝えたいことは、「行動の大切さ」なのだろう▼5カ年計画で進めてきた県版の人口減少対策「とちぎ創生15(いちご)戦略」が本年度、最終年を迎えた。雇用創出や若者の呼び込み、子育て支援などさまざまな分野において数値目標を設定して取り組んできた▼戦略が策定された当初から実現は難しいと思っていた指標がある。「合計特殊出生率」で、基準値を2014年の1・46として、1・62に引き上げるというものだった▼県によると県民対象のアンケートで、夫婦が理想とする子どもの人数の回答などから目標設定した。初年度は上昇したものの、その後下降を続け18年は1・44。全国順位も32位と低い。最終年での達成は極めて厳しく「為せばなる」とはいかないようだ▼男女とも未婚率の上昇が続き、非婚化、晩婚化の進行が背景にあると県は分析している。県内各自治体が子育て環境の整備に力を注いでいるだけに、残念でならない▼戦略に対する先日の評価会議では委員から「目標が高すぎたのでは」との指摘があった。高ければ意識も上がるが、現実味がないとやる気を損なう恐れもあり、目標設定は難しい。次期戦略素案は来年1月に示され、新たな目標が出る。