まんが甲子園で初優勝を飾り、表彰状を受け取る宇都宮文星女子高のメンバー=4日、高知市(同校提供)

 3、4日に高知市で開かれた第28回全国高校漫画選手権大会(まんが甲子園)で宇都宮文星女子高が全国270校の頂点に輝いた。今回を含め、本県勢は3位以上の上位を全都道府県で最多の11回獲得しており、「強豪県」として知られている。参加生徒を長年サポートする指導者の存在や各校独自の取り組みが、層の厚さにつながっているようだ。

 同大会は故やなせたかしさんら著名な漫画家を多数輩出する高知県が1992年から毎年主催している。予選を通過した約30校のみが本選に進み、制限時間以内にテーマに沿った1枚の漫画を制作して出来栄えを競う。

 本県は2001年以降、毎年、本選出場校を輩出。これまでに4回優勝している。

 こうした背景の一つに、元高校美術教員で造形作家の青木世一(あおきせいいち)さん(65)=野木町=の存在がある。

 「まんが甲子園は情報伝達技術を学べる生きた教材」と語る青木さんは約20年間、作品制作をサポート。赴任した栃木高、宇都宮東高、栃木女子高を本選に送り出してきた。退職後はネタや表現方法などを分析した攻略法を編み出し、県内高校の合同講習会で講師を務めている。

 一方で、青木さんは「講習会はあくまできっかけ」と話す。各校それぞれの強みや経験を生かした取り組みが、県全体の底上げにつながっているという。

 今回優勝した宇都宮文星女子高は、美術を専門に学ぶ生徒たちで選抜チームを組む。宮本明子(みやもとあきこ)教諭は「絵に頼り過ぎてネタが主軸から外れないようにするのが難しい」と話し、「文星なりのやり方」でネタの練り上げに心血を注いでいる。

 栃木女子高が目標に掲げるのは「誰が見ても『いいな』と思える爽やかな作品」。上位常連校としてのノウハウが美術部有志に代々受け継がれており、1年篠山苑佳(しのやまそのか)さん(16)は「先輩から教えてもらったことを出し切りたい」と来年に向け闘志を燃やす。

 漫画の指導は「アイデアづくりやチーム内での信頼関係の構築などが難しい」と青木さん。「より多くの学校でさまざまな工夫に取り組んでほしい」と話し、さらなる県勢のパワーアップを期待している。