対馬丸での惨状を語る上野さん

 【真岡】戦争体験を語り継ぎ、命の大切さや平和の尊さを訴える「八月の会」はこのほど、荒町の市民イチゴホールで講演会「今、次世代に伝えたいこと 対馬丸事件と荒井退造(あらいたいぞう)」を開いた。栃木市大平町西野田、上野和子(うえのかずこ)さん(72)が、対馬丸事件について講演した。

 上野さんの母新崎美津子(にいざきみつこ)さんは1944年、引率教員として沖縄からの学童疎開船・対馬丸に乗船、米軍の攻撃で船は沈没したが生還した。船上には「助けて」「お父さん」といった児童の悲鳴やわめき声が響き「その様はまさに地獄」だったこと、その声が次第に細くなって消えたことで「あの子も死んだんだ」と悟ったこと-。上野さんは新崎さんの話を伝え、「今の平和は戦争の記憶があるから(守られている)。失ってはいけない戦争の記憶を今後も語り継がなければ」と訴えた。

 講演を聞いた同校2年照井愛凜(てるいあいり)さん(16)は「戦争の記憶を伝えるためにも若者が知る必要がある。まず自分自身が知って、友人にアプローチできれば」と話した。このほか、真岡女子高放送部の8人が荒井についての群読を披露した。