親子参加のトレイルランイベントで走りだす子どもたち=3日午前、日光市

 登山道など山野を走るトレイルランニングの人気が県内で高まっている。愛好家たちは休日などに各地の山を駆け抜け、汗を流す。時には歩いて景色を眺めたり、レースに参加したり、楽しみ方はさまざまだ。大会やイベントが増えており、山岳関係者は「裾野が広がっている」と話す。一方、山をフィールドとするだけに、身を守る知識や装備への注意も呼び掛けている。11日は「山の日」。

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 3日午前6時。宇都宮市森林公園の駐車場にTシャツに短パン姿の男性が集まってきた。トレイルラン愛好家のグループ「QuesTrail」(クエストレイル)のメンバー。13人が古賀志山へと走りだした。

 メンバーは主に無料通信アプリ「LINE」でやりとりする。「土曜日、古賀志山に行きませんか」。呼び掛けに人が集まる。参加者の中心は20~50代の10人ほど。まとめ役の同市野沢町、会社員田邊歩(たなべあゆむ)さん(48)は「子育て世代が多い。家族の迷惑にならないよう早朝に走ってリフレッシュしています」と笑う。

 登山道を駆け上がるときもあれば、ゆっくり歩くことも。平地や下りでは気持ちよく走る。仕事や家庭の用事で、山頂まで登らず帰宅する人もいる。田邊さんは「緩く楽しく。トレイルランでたくさんの人とつながっていきたい」と話す。

 トレイルランの大会は宇都宮や足利、鹿沼市など各地で開かれている。矢板市では5月、高原山の30キロのコースを走る「タカハラ・アドベンチャーズ・フェスティバル2019」が初開催された。実行委員長の漆原邦和(うるしばらくにかず)さん(38)は「いろいろな景色、バリエーションがある山。多くの人に矢板市に寄ってほしい」と観光振興の狙いを説明する。

 日光市では3日、親子対象のイベントが開かれた。主催は、世界を舞台に活躍するトレイルランナーの同市所野、星野由香理(ほしのゆかり)さん(33)と晃宏(あきひろ)さん(34)夫妻。県内外の9家族31人が参加し、近くの低山を約2キロ走った。星野さんは「子どもたちが楽しそうにはしゃいでいた。小さい頃から山に親しみ、トレイルランを知ってもらえれば」。

 県山岳・スポーツクライミング連盟の北村誠一(きたむらせいいち)副理事長は「市民ランナーがトレイルランに目を向けるなど、盛り上がりはすごい。地域おこしとも結び付き、裾野が広がっている」と指摘する。一方で「体力任せに山に入るのではなく、自分を守る山の知識や装備をしっかり意識してほしい」と強調している。