地震予知の言い伝えがあるナマズは、食べると淡泊な白身魚で、高タンパク低脂肪なのだとか。高根の花になったウナギの代用としても注目を集める▼そのナマズをこよなく愛し、紙幣の絵柄にも採用している国がナイジェリアだ。東京五輪の期間中、同国が選手団の憩いの場や情報発信基地として活用する「ナイジェリアハウス」が小山市内に設けられた▼仲介したのは市出身で、同国と貿易などを行う伊藤政則(いとうまさのり)さん(50)。田園地帯に建つ古い民家を改装し、運営に携わる。脱サラして参加した異業種交流会で10年前にナイジェリア人と知り合い、東京で起業した経歴を持つ▼アフリカ最大の経済規模を誇るが、日本企業の進出はわずか。大いなる発展が見込めるこの国にビジネスチャンスを感じ、飛び込んだ。今はナマズの養殖などのほか、両国の交流に力を入れる▼同国のメダル候補に、前回のリオデジャネイロ五輪で銅メダルに輝いたサッカー男子を真っ先に挙げた。「優勝したら、チームの関係者は小山で朝まで踊り明かしますよ」と夢を膨らませる。そんな光景を見られたらと思うと親近感が湧く▼小山市は、現代人の食生活にうってつけのナマズをおやまブランドに選定し、生産振興を図っている。特産ナマズで歓待すれば、踊りの太鼓ならぬ舌鼓を大いに打つに違いない。