京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件は、従業員35人が死亡する未曽有の惨事となった。質の高い同社の作品には海外のファンも多く、哀悼と支援は世界に広がった▼同社へ献花に訪れた人々の中には留学生ら中国の若者の姿もあった。中国の短文投稿サイトには「京アニ応援団」という特設ページができ、ネット上では同社への募金や画像のオンライン購入の呼び掛けが行われた▼「日本の学園生活が繊細なタッチで生き生きと描かれ、生徒たちの頑張りに感動しました」。北京在住の会社員周暁宇(しゅうぎょうう)さん(29)は高校の音楽関係の部活を素材にしたアニメ「けいおん!」などの熱烈なファンだ▼強引な海洋進出や歴史問題などを理由に、日本人の中国への不信感は根強い。しかし、京アニに献花する心優しい若者をテレビニュースで見ると、中国の政権とは別に個人レベルでは「同じ感性を持つ人間として、仲良く付き合っていけるのでは」との思いが湧く▼今年は日中青少年交流推進年で、アニメを含む文化や科学技術、スポーツなどを通じた交流イベントが数多い。日本のアニメや漫画はアジアや欧米にも多くのファンを持つソフトパワーだ▼漫画が好きで日本に留学する若者も多い。類いまれな力を世界の平和と友好のために生かしたい。