【お持ち帰りグルメ】栗の小倉羊羹 ホテル花月(大田原)

【お持ち帰りグルメ】栗の小倉羊羹 ホテル花月(大田原)

 「あれ、やってる?」。昔からの常連客からはこう声が掛かる。旅館時代から約140年続く伝統の味を求めてのことだ。お茶請けとして長く愛され、「栗の小倉羊羹(ようかん)」(1本税込み864円)として販売も始めたのは1970年ごろからという。

 最初のきっかけは「売ってほしい」と言う客の一声だった。社長だった田代彰彦(たしろあきひこ)会長(77)が尋ねると、客は千葉県成田市の老舗のようかん製造業者で「つぶしあんは珍しい。従業員に食べさせたい」とのことだった。

 本業をうならせた味は戦争で中断した時期を除き、手作りされてきた。戦後は田代さんの母弘子(ひろこ)さん(97)、妹の故道子(みちこ)さんへ受け継がれ、現在は2人の従業員女性が守っている。

 作り方は至ってシンプル。銅鍋で小豆や砂糖を焦がさぬようへらを動かし4~5時間煮込んだ後、ようかん箱に流し込む。厨房(ちゅうぼう)が空く合間を縫っての作業でもあり、1回の製造は36本分が限度という。

 田代さんは「お菓子屋ではない。お料理の一環としてお譲りするということですよね」とにこやかに話す。売店で販売するが、品切れの時もある。注文は受け付けている。

 ◆メモ 大田原市黒羽向町2。午前8時~午後9時。(問)0287・54・1105。