【お持ち帰りグルメ】きぬ川せんべい 酒井米菓(日光)

【お持ち帰りグルメ】きぬ川せんべい 酒井米菓(日光)

 袋を開けると、漂ってくるしょうゆの香り。歯応えのよい堅焼きに、濃いめのしょうゆ味がよく合い、ついもう1枚に手が伸びる。

 きぬ川せんべい(1袋11枚入り、税込み540円)を作るのは、創業1959年の酒井(さかい)米菓。同店の唯一の商品でもある。3代目の酒井道子(さかいみちこ)さん(69)によると、当時、きぬ川せんべいを作っていた近所の店がやめることになり、義父の故半平(はんぺい)さんが開業して受け継いだという。

 手作りにこだわり、店の横の小さな工房で、道子さんと従業員の2人で一枚一枚、手焼きしている。材料は県内産のうるち米(コシヒカリ)。焼きたてのせんべいに塗るしょうゆだれも自家製だ。

 大量生産はできず、販売も同店のほかは鬼怒川温泉駅前の一部の土産店や日光市中央町の「喫茶室欒(らん)」などに限られている。このため知る人ぞ知る温泉名物とも言われるが、地元で親しまれ購入客もリピーターが多い。

 「きぬ川せんべいが食べたくなった」と訪れる客たち。それだけに、2007年から店主になった道子さんは「何よりも味が変わらないように気を付けています」と細心の注意を払う。地域で、家族で守り続けている伝統の一枚だ。

 ◆メモ 日光市鬼怒川温泉滝852の1。午前8時半~午後6時。不定休。(問)0288・77・0506。