「人生100年時代」に向けて重要度が増す生涯学習。第一線を退いた後の学びの場として、一翼を担っているのが県シルバー大学校である▼設立から40年。地域活動の実践について学ぶ傍ら、趣味やスポーツのクラブ活動を通じて交流を深める拠点となっているが、近年、定員割れの状態が続いている▼以前は応募が多く、抽選となったこともあった。だが来年度生の申し込みは、中央校(宇都宮)北校(矢板)で定員の7割ほどしかない。窓口のとちぎ健康福祉協会は、6月末だった締め切りを8月8日まで延長した▼背景に定年延長や継続雇用年齢の引き上げがあるのは容易に想像できる。大学校入学は原則60歳以上。65歳定年制が進む中で、定員確保が難しくなっている。制度の変更は、働く場以外の思わぬところにも影響が出ている▼同じ傾向は、シルバー人材センターでも見られる。手頃な料金で丁寧な仕事が好評だが、県内登録者は2010年の1万1434人をピークに、昨年は9739人にまで減っている。夏場に多い草刈りや庭木の剪定(せんてい)は、注文を受けきれず、作業が冬にずれ込むこともあるそうだ▼「皆さん入学して若返っている。そういう人が増えてほしい」と事務局担当者。健康寿命75歳が視野に入る時代である。延びた定年の後に入学しても遅くはないだろう。