食べるのをためらってしまうほど、見て楽しめる和菓子だ。一つ一つ手作りの練切(1個税込み220円)は、季節ごとに3種類を用意。6月からは「夏ツバキ」や「キキョウ」など3品がショーケースを彩る。
あんこは手練りにこだわる。「手の感触を大切にしたい」と和菓子1級技能士で店主高塩佳代(たかしおかよ)さん(33)。手作りでは量産ができず、午前中で売り切れることもあるが「丁寧に心を込めた品を置きたいので」。
高校生のころ、本で見た練切の色とデザインに心をひかれ、和菓子職人を志した。成城風月堂(東京都)で修業。生まれ育った地元に戻り、2016年12月に店を構えた。
店は家族で切り盛りする。購入した和菓子をその場で味わえるようお茶のサービスもあり、木のぬくもりあふれるカフェスペースも併設。カフェ勤務の経験がある妹友美(ともみ)さん(27)がコーヒー(420円~)を入れている。
目を引くのは練切だが、もなかも人気だ。定番のユズ(140円)のほか、北海道産ユリの根(160円)、子どもが好むミルク(140円)を使ったもなかが並ぶ。どれも職人のこだわりが詰まっている。
◆メモ 矢板市木幡2582の3。午前9時~午後5時。月、木曜定休。(問)0287・55・1717。