【麺ロード】モリタや(足利)

【麺ロード】モリタや(足利)

 「カタカナの店名に歴史を感じますよね。当時はモダンな名前だったんでしょうけど」と笑う田村直美(たむらなおみ)さん。創業1927年、ことし90年を迎えた老舗の4代目だ。細腕をまくり上げて毎日そば、うどんを打つ。

 13年前、父謙次(けんじ)さん(73)が腰を痛めたため跡を継いだ。「小さいころから父の仕事をみていただけ。特に勉強はしていない」と謙遜するが、職人気質の父に教わる傍らインターネットなどで集めた知識も加え、腰のある力強い麺を打つ。「手打ちは代々続く店のこだわり。父からもそこは妥協するなと言われてきた」。

 人気のメニューはご飯物にそばかうどん、サラダが付いた「日替わりランチ」(税込み1千円、半ランチ850円)。ルーからこね、片栗粉を使わずじっくり煮込んだカレーも独特の濃度にファンが多く、カレー南蛮(750円)などのほか単品で持ち帰る客も。

 いずれも味の決め手は厨房(ちゅうぼう)の二つの甕に眠る「かえし」。謙次さんが初代から受け継ぐ「モリタや」の味だ。麺打ちを娘に譲った後も、つゆは謙次さんが担当する。「長年その店が守ってきたつゆにこそ、その店の特徴が出る」が持論。色の濃さに似合わぬまろやかな味わいは、じっくりと重ねてきた歳月が醸し出す家族の歴史なのかもしれない。

 ◆メモ 足利市葉鹿町382の6。昼のみの営業で午前11時半~午後2時。木曜定休。(問)0284・62・0322。