【バーカウンターへようこそ】夢酒OGAWAパイプのけむり 菊地雄二さん

 「バーテンダー」は直訳すると「バーの優しさ」。自分としては「カウンターの風紀委員」を自認しています。

 ある晩、常連さんがカウンターで前の店での激しい口論をこぼしていました。すると、近くにいた別の常連さんが「それってもしかして…」と立ち上がりました。ケンカ相手が鉢合わせしたのです。

 「まずい」と思った瞬間、2人が握手をして「こんな偶然もあるんだ。乾杯しなきゃ!」。ドラマのような出来事に2人は意気投合。さりげなく次を紹介したところ、朝まで飲んでいたようです。

 後日、それぞれ2人から話を聞くと「菊地さんに前の店での不満をぶつけて、スッキリしてから帰ろうと思った!」とのこと。「うちの愛すべき酔っぱらいは…」と思いましたが、そんなとき、わざわざ来てくれるなんてうれしいですよね。これほど「バーテンダーを続けていて良かった」と感じたことはありません。

 いまだ昔のイメージで「バーテン」と呼ばれることもありますが、カウンターには「テンダー」が必要です。自分は常に「バーテンダー」でありたい。愛すべき酔っぱらいに寄り添う存在でいたいと思っています。

 ◆メモ 宇都宮市泉町2の19。(問)028・621・9281▼出身地 日光市▼バーテンダー歴 9年▼お薦めの一杯 全力のジンフィズ