「まーぜーて」。子どもの頃、遊びの輪に加わるのに発したこのあいさつが方言だったとは。県教委が小中学校などに配った「とちぎの慣習・ことば集」を読んで、標準語と信じて疑わなかった自分に気付き、笑ってしまった▼日常の会話から消えつつある方言。地域を知る大切なツールとして後世に残したいが、独特の発音をどう伝えるか。新聞など活字は不得手とするところである▼方言の取り組みでは茂木町が面白い。町が運営するケーブルテレビの行政チャンネルで、地元の方言を紹介するコーナー「おめぇ、知ってっか?」を放映している▼広報係の職員同士の何げない会話に方言を一つ登場させ、英単語のように意味を解説する2分ほどの人気コーナーで、もう10年以上続く。最近取り上げたのは「かんめに食われる」。蚊に刺されるという意味だ▼現在、シナリオを担当し出演もする山口菜央美(やまぐちなおみ)さん(30)によると、町民から聞き取りをしながら探した方言をこれまで100語前後紹介。「茂木出身の私でも知らない言葉が結構ある。世代間の会話のきっかけにしてほしい」と話す▼家族や友人など、気の置けない人と話すときに使うのが方言でもある。町のホームページに動画を載せて町外からも見られるようにしたら、楽しく学べるコーナーとして話題を呼ぶのではないか。