【麺ロード】パオすり鉢(佐野)

【麺ロード】パオすり鉢(佐野)

 佐野市北部の国道293号近く、モンゴルのパオ(移動式住居)に見立てた店舗が目を引く。

 店主の中島(なかじま)ミヨ子(こ)さん(70)の亡き夫勝造(かつぞう)さんが、1997年にオープンさせた。勝造さんはかつて、同市富岡町でテント張りのラーメン店「すり鉢ラーメン 大安」を経営。店内は趣味で描いた武者絵や中国の模写絵などが所狭しと飾られていた。

 「パオ すり鉢」は、その支店としてオープン。勝造さんの夢であったモンゴル山中のパオでの絵画制作を具現化させた。室内には、勝造さんのモンゴル大平原の貼り絵や数々の作品が並ぶ。ミヨ子さんは、勝造さんを手伝いながらラーメン作りを見よう見まねで会得した。青竹打ちの麺も、入院中の夫に現物を持っていき、出来具合をチェックしてもらった。

 大安は、勝造さんが亡くなった2008年に閉店。以来パオが唯一のすり鉢となり、ミヨ子さんが遺志を引き継いだ。鶏の唐揚げと餅、ミツバにユズの香りがアクセントのすり鉢ラーメン(税込み850円)が1番人気。パオを模した四角い一口サイズのギョーザ(8個入り、同430円)やすり鉢チャーシュー(同1200円)も好評だ。

 すり鉢ラーメンを慕って市内外から客が訪れる。ミヨ子さんは「懐かしい味だと言ってくれるのがうれしい。この味を私が倒れるまで守っていきたい。夫も天国で喜んでいるかもしれない」と話した。

 ◆メモ 佐野市石塚町2398。午前11時半~午後3時、同5~9時。月曜定休(祝日の場合は翌日休み)。(問)0283・25・1424。