【正月企画】庶民の味とりグルメ 県央編

■しもつけ丼 本気家源天(下野)

 庶民の味であり地域の味−。2011年にとちぎ元気グルメ選手権で初代グランプリを獲得した「しもつけ丼」(税別890円)は、今や道の駅しもつけ屈指の人気メニューとして定着している。

 具材の鶏肉、米、レタス、ネギはオープン当初から市内産を使用。特に「しもつけ鶏」は抗生物質を一切使用せずに育てているこだわりの食材だ。

 味付けは塩だれやごまなど全5種類(夏は6種類)。軟らかい肉の食感と野菜のシャキシャキとした歯応えが評判で、遠方から訪れるファンも多い。

 県内に5店舗を構える「本気家源天」だが、他の4店は居酒屋形式。ランチ営業は道の駅しもつけ店のみで、客層は子ども連れからお年寄り、病院帰りに足を運んだ県外在住者などと幅広いのが特徴だ。

 柴山雅人(しばやままさと)店長(31)は「メニュー決めなどは試行錯誤でした。地産地消にこだわり、周囲の支えもあって軌道に乗れた」と感謝を口にする。

 「手打ちそば」(同830円)や冬季限定「カキフライ定食」(同1380円)もお薦め。団体での利用も100人程度まで可能で、春は送別会や謝恩会での利用も多い。

 ◇メモ 下野市薬師寺41(道の駅しもつけ内)▽営業時間 午前11時~午後3時、午後5時~道の駅閉店まで▽第1・3水曜定休 ▽(問)0285・37・7357。

■タンタプリン タンタハウス(宇都宮)

 きっかけは、ほんのささいなことだった。

 約50年も続く養鶏場の3代目、刈部明彦(かりべあきひこ)さん(60)が、知人に自家製の卵をプレゼントした。プリンの材料にすると言われ、「自分でも作ってみよう」と思い立った。

 試行錯誤の末に完成したプリンは、市販品よりも軟らかく、味も別物。食べきれないほど作ってしまったので、周囲の人に配った。

 「そしたら、100個も注文が来ちゃったんだ。商売になると思った」。2007年に直売所「タンタハウス」を建設し、一般販売を始めた。

 卵の黄身だけを取り、牛乳や砂糖、バニラビーンズ、生クリームを加える。「プレミアム」「初産」「和(なごみ)」の3種類で、いずれも税込み300円。違いは卵の種類や乳脂肪分。「初産」は、産み始めから4週間までの卵を使う。

 滑らかでクリーミーな味わいが特徴で、食感はカスタードクリームにも似ている。何よりも、卵の味が濃厚だ。

 「栄養バランスを考えれば、完全食に近い。介護食としても選択してもらえれば」と期待する。1日限定100食。東北自動車道上河内サービスエリア(下り)でも販売している。

 ◇メモ 宇都宮市道場宿町1245▽営業時間 午前10時~午後5時▽月曜定休 ▽(問)028・667・3610。1月から焼き菓子やパウンドケーキも販売する予定。

■名物鳥もつ煮 なが勢(真岡)

 1916年創業で現在は居酒屋を営む老舗。3代目店主の橋本浩一(はしもとこういち)さん(54)が家族らと営む。「名物鳥もつ煮」(税別400円)は、2代目店主だった父の故享三(ゆきみ)さんが考案した一子相伝のメニュー。女将(おかみ)を務める浩一さんの妻京子(きょうこ)さん(54)すらレシピは知らないという。

 その日に仕入れた鮮度の高い皮、砂肝、レバー、ハツを使用。もつ煮特有の生臭さは一切なく、コリコリとしたハツやほろりと崩れるレバーなどの食感に、しょうゆの深い味わいが加わり飽きがこない。酒のさかなにもってこいの逸品だ。

 浩一さんは元力士。土俵を降り、壬生町でちゃんこ料理店を営んだ後、2000年から享三さんの後を継いだ。店舗をリニューアルし、鳥もつ煮や「うなぎの白焼き」(同2100円)といった伝統メニューのほかに、「若者にも来てもらおう」とボリュームたっぷりの「鳥の唐揚げ」(同700円)、「なが勢ちゃんこ」(同1800円)などの新メニューを加えた。若者からお年寄りまで幅広く愛されている。

 京子さんは「伝統メニューとおなかいっぱいになれる新メニュー、両方を味わいに来てもらえれば」と話している。

 ◇メモ 真岡市荒町2056▽営業時間 午後5時~不定(午後10時ラストオーダー)▽不定休 ▽(問)0285・82・3114。

■かぶと揚げ みよしや本店(宇都宮)

 重さ約300グラム、ずっしりという表現がぴったりはまる。「唐揚げと言えば、かぶと揚げ」。そう連想する宮っ子も多い。

 日光街道沿いにある赤い看板が目印の本店は、初代の故鈴木礼二(すずきれいじ)さんが1963年に開店。看板メニューのかぶと揚げ(小・大・特大、税込み600~750円)は契約した養鶏場で育った生後40日の若鶏を使用。もも以外の上半身を丸ごと揚げ、脂が乗った手羽やヘルシーなささ身、軟骨などが一度に楽しめる。二つ並べるとかぶとの形のように見えるのが名前の由来だ。

 「飽食ではなかった開店当時、『食べ応えがあるものを』と父は考え、大きな唐揚げになったのでは」と礼二さんの長女で2代目の典子(のりこ)さん(48)。味付けは塩とこしょうのみ。片栗粉としょうゆ、酒、卵を溶いた衣も創業当時と変わらない。クリスマスには本店だけで1日3千個が売れるという。

 父の急逝後、経営を切り盛りしてきた母に替わり、典子さんが約10年前に代表に就任。2011年夏には宇都宮市中心部にシンボルロード店をオープンさせ、若者や女性客の獲得につなげた。今年で創業54年。「伝統の味を守りながら、市外の人にも食べてもらえる機会を増やしたい」と抱負を語った。

 ◇メモ 宇都宮市上戸祭町519▽営業時間 午後4~10時、テークアウト可▽年始を除き無休 ▽(問)028・622・8302。

■鶏そば HIBARI(宇都宮)

 宇都宮市のシンボルロード沿いに店を構える「鶏そば HIBARI(ヒバリ)」。丸鶏を約20時間煮込んだ白湯(ぱいたん)スープが自慢のラーメン店だ。

 看板メニューは「鶏そば」(税別800円)。鶏のうま味が凝縮されたスープは濃厚で、細麺との相性は抜群。鶏の良さを存分に味わえる一杯だ。

 麺の上に載るトッピングは、揚げた長ネギ、刻んだ生のタマネギ、三つ葉、メンマ、チャーシュー、赤大根のかいわれなど。他の店では見掛けない珍しい具材がラーメンを彩る。店長の土橋祥記(どばしよしふみ)さん(34)は「スープや麺を引き立てるように具材も工夫した。ぜひ一緒に食べてほしい」と話す。

 テーブルやカウンター席には、それぞれユズ酢が置かれている。ラーメンを半分ほど食べ、お好みでユズ酢を加えるとさっぱりとした味わいに。最後の一滴まで、客を飽きさせない工夫がうれしい。

 清潔感あるおしゃれな店内には、テーブル2卓、カウンター10席。女性の一人客から仕事帰りのサラリーマンまで、幅広い層が訪れる。「冬の寒さで冷えた体を、温めに来てください」

 ◇メモ 宇都宮市池上町1の10▽営業時間 午前11時半~午後2時、午後5時半~午前1時▽不定休 ▽(問)028・637・8803

■焼き鳥 やきとり枝(鹿沼)

 オープン40年。変わらぬ味、豊富なメニュー、客へのもてなしの心で地元にしっかり根付いている。

 15種類ある焼き鳥の1番人気はねぎま(170円)。続いて皮(130円)、せせり(200円)、ぼんじり(200円)の順。青森の地鶏「あべどり」を使う。特徴は肉が大きく、においは少ない。まろやかながら歯応えがあるという。確かにその通りだ。

 「変わり焼き」は何と20種類あり、“エース”はだるま(300円)。中身をくり抜いたミニトマトの中に、ひき肉、チーズ、梅肉が入っている。最初の歯応えと、口の中での各素材のミックス感でとりこになる。2番人気のナスばら(250円)はナスを豚ばら肉で巻き、しっかり焼く。ばらの脂がナスに染みこみ、自家製タルタルソースとのコンビネーションが絶妙。数多く取りそろえてある日本酒との相性も良い。

 店主の大貫初江(おおぬきはつえ)さん(70)はカウンター7席の店から始め、2度の改装を経て昨年11月、南側に新築移転した。現在は主に弟の平田勝美(ひらたかつみ)さん(62)、大貫さんの長女佐藤知恵(さとうちえ)さん(39)で切り盛りする。

 大貫さんは「常連さん、家族連れも多い。味を大切にアットホームな店、癒やされる店を心掛けています」と笑顔で話す。

 ◇メモメモ 鹿沼市中田町1354の13▽営業時間 午後5~11時▽席数 個室、カウンター合わせ60席▽やきとり以外のお薦め品 とりラーメン(450円)和風ピザ(900円)▽月曜定休 ▽(問)0289・64・4341。